3歳までの教育

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一生涯でみた幼児期の重要性

古くからのことわざ
「三つ子の魂百まで」
(意味:幼い頃の性格は年をとっても変わらない)
と言われるように、幼児期は、人間形成の基盤が培われる非常に重要な時期となります。

日常生活で習得する様々なことや遊びを体験することで、知的・情緒的な発達を遂げ、社会の一員としてより良く生きていくための基礎を獲得していきます。


幼児期における教育の重要性

幼児期は、知識や感情、人間関係において日々の成長が著しい時期でもあります。
この時期ならではの経験を十分に体験させておかなければ、将来、充実した生活を送ることが困難になるといわれます。
ですから、幼児に関わる大人は、この時期の教育がその後の生き方に大きな影響を与える重要なことであることを認識し、子どもの発育・発達に、常に関心と注意を払うことが必要となります。


三歳までの幼児教育は重要!

これまでに述べたように、幼児期は生きていく上で非常に重要な時期ではあるのですが、長い人生でみた場合、一生のうちの5%程度しかありません。
非常に短い時期なのですが、「幼児期の子どもの1日=大人の1カ月」に相当すると言われるほどの価値があると言われています。

0歳から3歳ごろまでは「記憶に残らない時期」ではあるのですが、「潜在意識が残る時期」だといいます。
潜在意識は、日頃は全く自覚がなく意識もされていないものですが、心の奥底にあってはたらいている自我の活動です。

幼児期は周囲から受ける愛情や教育、環境などを吸収して、自らの中に蓄えていき、やがて成長した時に、何かのきっかけやタイミングでその潜在意識が働くこととなるのです。
ですから、三歳までに「見る」「聞く」「触る」「嗅ぐ」「味わう」感覚、つまり、五感を使って様々な経験をさせることで、脳が活性化され、これが潜在意識として残るようにすることが大切です。

このような幼児期の重要性を知って子どもの教育をするのと、知らずにするのとでは、子どもの発達・成長に大きな差ができるといわれています。
言葉がわからない赤ちゃんでも、自分をとりまく環境を察知しているため、周囲の大人は、乳幼児との関わり方に十分注意して気を配る必要があります。


発達に応じた幼児教育とは

子どもが成長していく上で、それぞれの年齢に応じた「発達段階」があります。
この年齢だとこれくらいできていれば大丈夫という、ひとつの目安です。
子どもの発達には個人差がありますが、この目安を知った上で子どもを育てていくことは、保護者や幼児教育に関わる大人の助けにもなります。

ここでは、成長が著しく、自立心が芽生える「三歳児の発達」と、芽生えた自立心が発達する「四歳児の発達」、自立心が確立する「五歳児の発達」、幼児期の集大成「六歳児の発達」について述べていきます。

三歳児の発達

3歳ごろになると、第一次反抗期「魔の2歳」といわれる「イヤイヤ期」が落ち着く頃になります。
これは、2歳のころに比べると言語を習得して、言葉を使って自分の気持ちを表現できるようになるからです。
好きなものと嫌いなものがはっきりしてきたり、自分と他人の区別がつき「恥ずかしい」という気持ちが発達し始めます。
初対面の人や家族以外の人に会った時に照れて恥ずかしがるのはこのためです。

生活面では、ボタンのかけ外しや靴の脱ぎ・履き、手洗いやうがい、自分で排尿するなどのことができるようになります。
社会性も発達し初め、「貸して」「どうぞ」「ありがとう」など遊びの中で、必要な言葉を使いコミュニケーションがとれるようになります。
運動神経も発達し、音楽に合わせた動作や平均台を渡るなどのことができるようになります。
言葉の数も増え、自分の名前や年齢、日常のあいさつなどのほかに、形容詞を用いた表現をするようになります。

四歳児の発達

3歳頃で芽生えた自立心が発達していく4歳児。この頃から保育園や幼稚園などで集団生活を経験する子どもが多くいます。
集団の中での成長を期待していたのに、これまでできていたのにできなくなってしまったとか、急に恥ずかしがり屋になったとか、急にお母さんにベッタリするようになったなど、驚くような変化があらわれます。

これは、保育園や幼稚園という大きな集団で、子どもが自分の居場所を作ろうと頑張って努力した、その反動なのです。
ですから、できなくなったからといって叱るのではなく、子どもの様子をよく観察して、受け止めることが大切です。
そんな中でも生活力は向上し、自分でお箸が使えるようになったり、ハンカチや衣服がたためるようになったり、簡単なおてつだいができるようにもなってきます。

また、お友達への興味がわき、順番を守るなど仲良く遊ぶことができてきます。
運動神経もさらに発達し、マットの上で前転したり、鉄棒で両手両足を使ってぶら下がる(豚の丸焼き)などができるようになります。
言葉の面では、絵本や紙芝居などに興味を持って集中してみることができ、そこから使える言葉が増えたり、自分でストーリーを作ったりするようになります。

五歳児の発達

友達との関わりがさらに増えて、様々な気持ちが発達するため、心が成長する大切な時期になります。

友達と楽しく仲良く遊ぶ経験を繰り返す中で、喧嘩などのトラブルも経験し、我慢することや協調することなどを学び、自己コントロール力が発達していきます。
集団で「ルール」のある遊びができ、その中でも協調性や適応力、応用力を養います。
生活の中では、雑巾を絞る、こぼしたら拭く、ホウキで掃くなどの掃除ができるようになります。

お店の中で走らない、静かにするなど公共でのマナーなどが理解できるようになるので、この五歳児のしつけは大切です。
また、遊びの中で社会性が育ち、仲良く遊べる友達を見つけることができます。
ジャングルジムの上まで登れたり、自分でブランコがこげたり、鉄棒で前回りができたりと、外遊びが十分満喫できるだけの運動能力が備わります。

六歳児の発達

6歳は幼児期から学童期への橋渡しの年齢となります。
ますます心は成長し、好奇心・向上心もあらわれ、自ら考えて行動し、楽しむというまさに幼児期の集大成です。
生活面では、時間を意識した行動ができるようになり、「○分までに食べ終わる」「○時までに支度する」などができます。

また、季節ごとの行事などが理解でき、カレンダーや曜日を読んだり理解することもできます。
能力の発達もめまぐるしく、運動では補助輪なしの自転車に乗れたり、鉄棒で逆上がりができたりして、言葉では、ひらがなの読み書きができるようになってきます。


このような年齢に応じた発達は、前にも述べたように個人差が大きく「ひとつの目安」にすぎません。
できなければならないと考えず、子どもに刺激や興味を与えるヒントとして活用しましょう。


早期教育の必要性

早期教育とは、実際の年齢よりも上回る知識(文字や語学、数など)や芸術、スポーツ等の教育を子ども本人の意思ではなく、子どもの可能性をいち早く見出そうという保護者などの意向によって早期に行われる教育のことです。

脳科学の面からいうと、吸収力・順応力が高い幼児期に早期教育を始めると、大脳に刺激が与えられ、脳神経が発達して学習能力(偏差値)が高くなると言われています。
また脳神経の発達には臨界期があり、それが幼児期だと言われているため、日本ではさまざまな教材が開発されたり、IQを向上させる育児教室などがあったりと、早期教育が盛んになっているのです。

人間の脳は「右脳」と「左脳」に分かれていて、よく「右脳開発」や「脳トレ」などで脳を鍛えて才能を開花させると聞きますが、右脳と左脳とで発達する時期がずれているため、「適切な時期に適切な脳を育てる」ことで効果があらわれると言われています。

右脳=直観的思考

芸術や空間の認識、瞬間的に暗記するなどの場合に右脳が働き、0歳〜3歳が優位に働く時期。

左脳=論理的思考

言語や計算、物事を分析するなどの場合に左脳が働き、3歳以降が優位に働く時期。


早期教育をうまく取り入れるために

早期教育をするにあたり、気をつけておきたいことは、子どもの発達段階を踏まえ、それに見合った方法で無理なく進めていくということです。
子どもが楽しんでいるか、将来的にどのような人間になってもらいたいかなど、子どもの幸せを意識することが大切です。
決して期待を押し付けたり、いつから何を始めるかなど母親同士の競争をしたりしてはいけません。

アメリカでは幼児期に学力などの早期教育をさせるよりも、「自立」させることにウエイトを置いています。
有名な話ですが、赤ちゃんの頃から両親とは寝室が別々だっだり、オムツが濡れたら自分から「替えてほしい」と自己主張させるなどです。
どのような教育が子どもにとってメリットがあるのか、将来を見据えて取り組むことが大切です。