ヘルバルト幼児教育

科学的な「教育学」を提唱

ヨハン・フリードリヒ・ヘルバルトは、ドイツの哲学者であり、心理学者であり、教育学者でもありました。

スイスの教育実践家であるペスタロッチの影響を強く受け、教育の目的を倫理学に求め、教育の方法を心理学に求めて、科学的な教育学を樹立しました。
それは、教育実践に基づいた単なる「教育論」ではなく、「管理」「教授」「訓練」の3要素を含んだ教育的教授が教育の方法であると示したものでした。

教育の目標は、強固な道徳的品性と興味の多面性の陶冶である、つまり、先入観や固定観念、思い込みなどをなくして学習者に知識や技術を伝えることが、人の性質や能力などを円満に育て上げることができるということです。

このようなヘルバルトの学説は、世界に影響を与えることになり、日本でも明治の頃に、ヘルバルトの後継者による「五段階教授説(予備―提示―比較―総括―応用)」が伝わっています。

四段階教授法とは

「四段階教授法」とは、ヘルバルトが提唱した教授の進め方で、学習者の認識が深められ、発展する過程を明確にとらえようとしたものです。
子どもに学習対象や課題に興味や関心を持たせるために、ヘルバルトは「専心」と「致思」という二つの概念を提起しています。
この二つの概念をさらに「静的」と「動的」に分類したものが四段階教授法(明瞭―連合―系統―方法)です。
  • 「専心」 … 一定の対象に没入して、他の対象を意識の外に排除する状態。
  • 「致思」 … 専心で獲得した表象(イメージ)を相互に関連づける精神作用。
  • 「明瞭」 … 「静的専心」対象を限定することで意識の混乱を排除する。
  • 「連合」 … 「動的専心」明瞭にされた対象を、既に取得させていた知識と結合し比較する。
  • 「系統」 … 「静的致思」連合を経た知識を体系化する。
  • 「方法」 … 「動的致思」以上の段階を経た知識が、他の事象に応用できるようになる。

このヘルバルトの「教育学」は、ドイツ国内にとどまらず、教育学の体系化を目指していた多くの国の教育に多大な影響を与えました。