早期教育

早期教育がもたらす弊害とは

最近の「早期教育ブーム」により、早期教育のメリットがメディアなどでも大きく取り上げられ、乳幼児の子どもを持つ保護者をあおるような状況になっていますが、中にはその過熱ぶりに対する不安や批判も聞かれます。
また、早期教育がもたらす「弊害」について懸念する専門家も多くいます。

早期教育の全てが悪いもの、無意味なものという訳ではありませんが、昔から言われるように「遊びの中で子どもは育つ」という遊びの中での学びが減少していることは事実です。
その結果、子どもの体力の低下やコミュニケーション能力の低下、集中力の低下、自主性が育たずに依存性が強くなるなど、心と身体の発達面での心配があります。

早期教育不要論

早期教育が「脳科学的によいとされている」と認識されている人も多いのではないでしょうか。
実は、脳科学の世界において、乳幼児への早期教育に対して懸念されているということをご存知でしたか?
乳幼児期の脳内では、「シナプス」という神経細胞の結合部分が過剰に作られています。

そして、ある時期になると、徐々に不要とされた細胞が淘汰されていきます。
これは、あらゆる環境や刺激に適応できるように、シナプスが過形成されていましたが、子どもが置かれた環境や刺激に応じて、無駄なものがなくなり必要な神経回路が残されるという脳が正常な成長をしていくためのシステムです。

早期教育の発想は、この乳幼児期に「シナプスが最大になる」というところに目をつけて、この時期に学習を始めるのがよいという考えに至ったことにあります。

ところが、シナプスの専門家は、シナプスが急増する時期に強い刺激を継続的に与えることは、「無駄なものがなくなり必要な神経回路が残される」という脳のシステムが正常に行われなくなると唱えています。

また、別の専門家は、シナプスには2種類あることを示し、全体の80%を占める「興奮性シナプス」と全体の20%を占める「抑制性シナプス」とがあり、早期教育により興奮性の刺激ばかりが与えられると、脳の神経回路が「発作状態」なる可能性があるという実験による結果報告などもされています。

急増するICT教育

「ICT教育」とは聞きなれない言葉かもしれませんが、ICT(Information and Communication Technology の略)は、情報通信技術という意味で、いわゆる電子黒板やタブレット端末を利用した教育のことです。

学校などでパソコンの授業や教材として導入されているほかに、家庭用タブレット端末向けに学習用アプリが開発されていたり、通信教育などでも専用のタブレットを使用した学習が取り入れられたりしています。

このような教育現場におけるICT教育は、国が導入を進めており、日本の国が国際的に存在感を発揮し続けるため、将来、国際的に活躍してくために、実社会を生き抜く力としてICTを活用し、課題を解決する能力を有する人材を育成することが必要としています。

ところが、タブレット端末などの情報通信機器に触れる機会が低年齢化しており、長時間ディスプレイを見ることによって目を酷使し、ドライアイや充血、視力の低下など目に負担をかけてしまっています。

また、ゲーム感覚で学習できる内容のものが多いため、やりすぎてしまい「依存状態」になることもあり、身体だけでなく心の発達にも影響を及ぼすと懸念されています。


子どもを育てる親として、質の高い教育を受けさせたいという気持ちもありますが、周りの情報に過敏に反応したり振り回されたりせず、過度な取り組みや期待はせず、子どもと過ごす時間をいかに大切に使うかということが重要なのかもしれません。